昨今では、コロナ禍でのテレワーク普及などの影響もあり、20代の移住意欲が高まりつつあります。
とはいえ、30代・40代以上の移住検討者の割合は依然高く推移している状況で、田舎暮らしでスローライフ実現など、理想の生活を求めている人が多いと言えます。
こうしたなか、移住を決断するうえで最も大きな不安要素が「仕事の問題」です。
実際、令和2年に発表された「内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局」による調査報告書によると、移住することへの不安や懸念点として「働き口が見つからないこと」が最も多い回答となっています。
実際、40代50代からの転職は選択肢が限られるため「転職活動に苦労した」「都会に比べ求人が少ない」など、仕事探しに苦戦する声も少なくありません。
しかし、理解しておきたいことは、決して仕事がないわけではなくあくまで選択肢が限られてくるという点です。
つまり、選択肢が限られてくるが、その選択肢の中で自身が「働きたい」仕事があれば問題ないということになります。
この記事では、40代50代が田舎に移住した場合「どのような仕事の選択肢があるのか」「メリットやデメリットはどういった点なのか」について、詳しく紹介していきます。また、具体的な仕事の探し方やおすすめの方法についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
田舎ではどのような仕事があり、どういった働き方が可能なのかをイメージして頂いて、少しでも移住生活の後押しができれば幸いです。
40代50代向けの田舎における求人内容

IT業界への転職
IT企業は首都圏に集中しているイメージが強いですが、近年では地方で求人を出す企業も増えつつあります。もともと地方に本社や支社を構える企業もありますが、予期せぬ災害やトラブルが発生した際に、機能を停止させないためのリスクヘッジとして対策する企業も増加しているからです。
また、コロナ禍でリモートワークを採用する企業も増えてきており、IT関連の仕事を探している人にとっては、地方や田舎でも仕事に困らずに転職できる可能性が広がっています。
注意点として入社後に異動が発生する企業もあるため、まずは転職サイトなどで企業についての情報収集を行うことが大切です。
情報収集を行う転職サイトは、ITエンジニアに特化した下記のようなサービスを利用するのがおすすめです。ぜひ参考にしてみてください。
IT業界への転職におすすめのサイト
クラウドリンクは「エンジニア向け転職支援会社サポート満足度NO.1」の実績を誇る転職エージェントです。高い専門性を持つアドバイザーが、転職希望者の適正や希望に沿って求人情報を紹介。全国各地での理想の転職をサポートしてくれます。
>>>クラウドリンクス
介護業界への転職
40代50代からでも、安定して求人募集があるのが介護職です。
実際に、40代50代で介護業界に転職する人は多くおられます。
理由としては、いくつか挙げられます。
- 地方や田舎の仕事のニーズとマッチしている
- 介護業界の人手不足
- 今後も必要とされ続ける仕事
介護職は、年齢を問わず、地方や田舎で需要のある仕事のひとつです。
また、介護業界全体の人手も不足しており、将来的に見ても高齢化や過疎化問題から今後も必要とされ続ける仕事といえるでしょう。
介護職とひとことで言っても、その内部は様々な役職や役割が存在しています。
これから介護業界への転職を検討している人は、そういったことも把握したうえで、自身のキャリアプランを設計することが大切になってきます。
農業の仕事・農家への転職
農業も田舎ならではの仕事です。
また、農業従事者の平均年齢は令和2年現在で67.8歳となります。
(農林水産省-農業労働力に関する統計より)
つまり、40代50代で農業を始めても、業界内では若手として活躍できる仕事といえるでしょう。
- 独立就農
- 雇用就農
農業での働き方は、大きく分けて2つです。
自身で独立して農家を目指す独立就農と農家や企業に雇用されて働く雇用就農です。
どちらが良い悪いということではなく、自身の知識や貯蓄、将来設計に応じて決めるのが最も大切なことです。
ドライバー関係の仕事
ドライバー関係も、40代50代でも求人が多い仕事になります。
では、ドライバー関係の仕事にはどのような種類があるのでしょうか。
- バス・タクシーの運転手
- 宅配便の運転手
- トラック・トレーラーの運転手
求人内容を見てみると、上記のような種類の仕事が多いように感じます。
運転免許の種類や、特殊免許の有無等によって応募出来る範囲も変わってくる為、自身の状況に応じて求人を確認し検討してみましょう。
工場勤務
工場勤務は地方や田舎でも多くの求人案件があるため、選択肢に入れておくと転職の幅が広がります。大手メーカーや一流企業も地方や田舎に工場を構えていることが多く、田舎暮らしでも安定した職を手に入れることが可能です。
工場勤務のメリットは、寮付きで働ける企業が多い点です。家探しや家賃などの心配がないため、地方や田舎暮らしを体験してみたい人でもおすすめの求人です。
工場勤務と聞くと、肉体労働がメインとなるため若い時期しか働けないイメージをお持ちの方も少なくありません。しかし、経験を積みながらリーダーや主任、係長など管理職に昇格していくことも可能なので、幅広い年齢層の人がやりがいをもって働ける仕事と言えます。
40代や50代の人でも、健康促進のためにあえて工場勤務を希望される人もいらっしゃるので、地方や田舎での仕事選びに迷っている人はぜひ検討してみてください。
工場勤務の求人に特化したおすすめサービス
はたらくヨロコビ.comは東証一部上場企業の株式会社アウトソーシングの工場求人サービスです。全国各地の求人に対応し、正社員から派遣社員、寮付きの求人案件まで幅広い求人案件が掲載されています。
>>>はたらくヨロコビ.com
その他の求人内容について
その他にも、様々な仕事が求人として寄せられています。
ここでは、男性と女性に分けて主な仕事内容を見ていきましょう。
- 土木関係
- 警備員・管理人
- 清掃関係
- 事務関係
- 調理補助関係
40代50代でも、求人内容の中身を見ていくと、様々な仕事の求人があります。
まずは、転職サイトに登録してどのような求人内容が掲載されているのかを情報収集することが大切です。
意外と多くの求人が掲載されていますので、自身にあった仕事が見つかるかもしれません。
田舎で一人暮らしをする際のポイントや仕事の選び方については、こちらの記事で徹底解説しています。仕事の探し方や人気の移住先についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
40代50代の仕事の探し方

転職サイトに無料登録して探す
転職サイトに登録して希望地域の求人を探してみましょう。
デメリットとして、都心部の求人情報が多く、地方や田舎の求人数が少ないという点が挙げられます。
ただし、無料で登録できますので、希望の地域にどのくらいの求人があって、自身が応募できる仕事がどのくらいあるのかを知るうえで参考にしてみてはいかがでしょうか。
無料で利用できるおすすめ転職サイト
日本最大級の求人情報を提供する大手転職サイト「リクナビNEXT」では、日本全国各地の求人データを網羅しているため、地方でもあなたにピッタリの求人が見つかります。
>>>リクナビNEXT
「ビズリーチ」はハイクラス求人に特化した転職サイトです。地方へ移住し田舎暮らしを検討しているが、「今の年収を維持したい」「より年収にこだわった仕事に出会いたい」という方は、ぜひ一度参考にしてみてください。
>>>ビズリーチ
ハローワークで探す
ハローワークと聞くと、現地まで足を運んで調べないといけないイメージをお持ちの方もおられるかもしれません。
しかし、今はインターネットで全国のハローワークに寄せられた求人をチェックすることも可能です。
転職サイトに掲載されていないような、地元企業の求人も掲載されているケースがありますので、転職サイトと一緒にハローワークの情報も事前にチェックしておくのがおすすめです。
移住支援制度を活用
近年では、新規移住者の受け入れを積極的に行っている自治体も増えてきています。移住者の受け入れに力を入れている自治体では、魅力的な移住支援制度を設けているケースが多く、条件を満たせば土地や家をもらえたり支援金を受給できたりする可能性があります。
自治体によっては、体験移住の制度を設けている場合もあるため、実際に移住先の環境を肌で確認しながら仕事を探すことも可能です。


クラウドソーシングの活用
転職とは考え方が違ってきますが、今はクラウドソーシングを利用して個人で仕事が受注できます。
在宅しながら、オンラインで仕事の受注から納品までを完結することができるので、転職先が決まるまでの期間で試してみるのもひとつの手段と言えるでしょう。
仕事内容は、簡単なアンケートやモニター調査、ライティング系の仕事、プログランミング関係と難易度や種類、報酬金額も様々です。
Web系のスキルをお持ちの方であれば、より高単価な仕事を受注できる可能性もあります。
長期間クラウドソーシングだけで生活していくのは、少しハードルが高いといえますが、短期的な収入補填という考え方であれば、選択肢のひとつに入れておいても良いのではないでしょうか。
地域おこし協力隊へ応募
地域おこし協力隊とは、地域の活性化と盛り上げを目的としてその地域の農林業などのさまざまな仕事に従事していく仕事です。
地域おこし協力隊は、れっきとした仕事ですので給与が発生します。金額は地域によってさまざまですが月160,000円から170,000円が平均的です。
また、自治体によっては家賃の補助が支給されるところもあるので、地方や田舎で移住を検討している人は地域おこし協力隊への応募もぜひ検討してみてください。
地域おこし協力隊で活動後に定住した人の約30%の人が起業していることもデータでわかっており、将来的に地方や田舎で独立や起業を目指す人にもおすすめです。
40代50代が移住先で転職するメリット

豊富な経験やスキルを活かせる
豊富な人生経験、仕事での経験を転職先でも活かすことができます。
経験がある分野への転職の場合は、より必要とされる人材となることができるのではないでしょうか。
人は誰でも、これまでの経験から様々なことを学び、そして考え方も変わってきます。
これは、年齢とともに積み重なっていくものでもあり、若い世代にも負けない大切な部分になります。
やりたい仕事・向いてる仕事を目指せる
地方や田舎での転職は、自身が本当にやりたい仕事や、向いている仕事を目指せる良い機会です。
20代-30代と一生懸命走り続けてきた分、40代以降の人生の送り方を一度考えてみてはいかがでしょうか。
都会の慌ただしい日常から解放されつつ、自身のやりたい仕事、向いている仕事を地方や田舎でぜひ探してみてください。
プライベートな時間の充実をはかれる
地方や田舎での、綺麗な空気や豊かな自然の中での生活は、都会では味わえない大きなメリットのひとつです。
仕事面意外でのプライベートな時間を充実させることで、都会では味わえなかったストレスの少ないライフスタイルを実現させましょう。
40代50代が移住先で転職するデメリット

仕事選びの選択肢がせまい
仕事選びの際の選択肢がどうしても少なくなってしまう点が、デメリットのひとつです。
仕事を選ぶ自由度が低下する為、もしかしたら自身が望んだ転職先が見つからない可能性が出てきます。
年収(給料)低下のリスクがある
都会と比較すると、地方や田舎の平均年収は下がる傾向にあります。
そういった傾向があるということは頭に入れたうえで、転職先の情報収集と将来的な生活設計は考えておく必要があります。
自家用車が必要になる
田舎の生活では、自家用車の利用は必須と言えるでしょう。
田舎では、交通機関が都会ほど発達していない為、移動手段は基本的に車になります。
通勤の際も同様のことが言える為、自家用車をお持ちでない方に関しては、車の購入費用や維持費を頭に入れておかなければなりません。
「転職だけじゃない?」40代・50代の田舎での働き方
ここまで、40代・50代の働き方として「転職」を前提に紹介してきましたが、地方や田舎での働き方は転職だけに限られたものではありません。現代では働き方の多様化が浸透してきており、それぞれのライフスタイルやライフプランに合わせて自分に合った働き方が選択できます。
ここでは、40代・50代の田舎での働き方について、「転職」以外の選択肢をいくつか紹介していきます。
独立起業
都会ではなく、あえて田舎で独立起業をするメリットとデメリットがいくつかあります。まずは、田舎で独立起業するメリット・デメリットについて理解していきましょう。
メリット | ・開業と運営の資金が安く抑えられる ・競合の数が少ない ・補助金や助成金を利用しやすい |
デメリット | ・人口が少ない ・移動手段に車が必須となる |
田舎で独立起業をおこなう最大のメリットは「開業や運営の資金を安く抑えられる」点です。田舎では、都会に比べて土地代や不動産代が安いため、独立起業の初期費用を大きく抑えることが可能です。また、最低賃金も地方や田舎の方が安いことから、人件費の抑制にもつながります。
もちろん、開業資金や運営資金が安いからといってすべての独立起業がうまくいくわけではありません。商圏の人口が少ない田舎では、事前のリサーチと計画がとても重要な要素となってきます。田舎で起業を成功させるためには、地域ならではの特徴や課題を把握したうえで計画的に事業をすすめていきましょう。
フリーランス
近年では、フリーランスとして働く人の割合も増えてきています。
2021年にランサーズ株式会社が発表した調査結果によれば、国内のフリーランス人口は1,577万人まで膨れ上がっていることがわかっています。ランサーズ株式会社が同様の調査を開始した2015年と比較して、640万人もフリーランス増加しています。
引用:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版|ランサーズ株式会社
また、人口の増加に伴って経済規模も2015年と比べ9.2兆円も増加しています。
こうした結果からも、フリーランスは現代における働き方の選択肢のひとつとして定着しつつあることが読み取れます。
パソコンとネット環境さえあれば取り組めるのがフリーランスのメリットであり、地方や田舎での働き方にも向いていると言えます。フリーランスの仕事にはさまざまなものがありますが、まずは、フリーランス専用の求人サイトでどのような仕事があるのか確認してみてください。
フリーランス専用のマッチング・求人サイト
「WEBLANCE」は、フリーランスの人と即戦力人材を求める企業をつなぐフリーランスマッチングサイトです。無料登録するだけでフリーランスの仕事内容を確認できることはもちろん、フリーランスを採用したい企業から直接連絡が届くこともあります。
>>>WEBLANCE
移住を決断する前の心構え

移住目的を整理しておくことが大切
移住をする際に、最も大切なことが移住目的を整理しておくことです。
- どんな目的で移住をするのか?
- 移住するうえで、最も優先したいことは何か?
- 本当に今の生活では、達成できないものなのか?
これらのことを、移住前にしっかり整理しておかなければ、移住後の後悔に繋がってしまう可能性があります。
仕事選びで多少妥協したとしても、プライベートで求めていた生活が実現できていれば満足できるものになるでしょう。
反対に、移住の目的を仕事面優先で考えていた場合には、仕事を妥協して選んでしまっては、後々の後悔に繋がってしまいます。
移住後に後悔しない為にも、事前に移住目的を具体的に整理しておく必要があるでしょう。
事前の情報収集を徹底的に
地方や田舎で転職をすることは、非常に大きな決断と言えるでしょう。
だからこそ、失敗や後悔するリスクを最小限に留めておく必要があります。
その為にできる一番大事なことは、事前の情報収集です。
移住先の情報ももちろんですが、仕事面の情報も同様に徹底的に調べておきましょう。
転職サイトはもちろんですが、ハローワークもインターネットで求人情報を確認できます。
移住して、有給を消化しながら転職先を探すといった方もおられますが、実際に移住してから想像よりも仕事がなかったという事態もありえます。
失敗や後悔を避ける為にも、事前の情報収集の徹底をおすすめします。
自分にピッタリの移住先を「たびすむ」で見つけよう

「田舎や地方に移住して理想の暮らしを実現したいけど、具体的な移住先が決まらない」
「移住先の助成金制度をもっと分かりやすく比較して選びたい」
「移住経験者のリアルな声を移住先選びの参考にしたい」
こうした悩みや不安を抱えている人におすすめしたいのが、移住マッチングプラットフォーム「たびすむ」の活用です。
「たびすむ」では、利用者の希望条件から自分に向いている移住先をAI診断。掲載自治体数1,500以上ものなかから、移住先選びで迷っていた人でも満足のいく移住先がきっと見つかります。
ぜひ移住先選びの参考にしてみてください。
新しい一歩を踏み出すのに年齢は関係ない

地方や田舎で転職する為には、事前に調べなくてはいけないことがたくさんあります。
また、転職するメリットもあれば、当然デメリットもあります。
これらのことを考えれば考えるほど、ハードルが高く、リスクも大きく感じてしまうかもしれません。
しかし、このことだけに限らず、新しい一歩を踏み出す際はいつもリスクが伴うものです。
大切なのは、そのリスクを最小限に留める為に、目的を達成する為に、どのように行動するかだと思います。
当然のことながら、ここに年齢は関係ありません。
10代であろうが、50代であろうが、新しい一歩を踏み出す時には勇気が必要でリスクもあるのです。
この記事が、少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
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