地方移住して田舎で生活してみたいが、田舎は仕事がないと聞くので不安がある。
このような方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
別の記事でも説明していますが、田舎でも多くの人から求められる、必要とされる仕事があります。
その代表的な例と言ってもいいのが、介護の仕事です。
でも、実際の求人数を知らないので不安。
田舎で暮らしたいけど、介護職を簡単に選んで良いのだろうか。
この記事では、このような不安や悩みをお持ちの方に向けて、田舎の求人状況やメリット・デメリットについて詳しく説明していきます。
仕事面の不安で、地方移住や田舎暮らしを躊躇してしまっている方に、少しでも参考となる記事になれば幸いです。
田舎の介護職求人について
介護は田舎でも必ず必要とされる仕事

田舎で介護の仕事って本当に求人あるの?
このように、不安や疑問に思われている方も多いと思います。
田舎は仕事がないと叫ばれがちですが、介護の仕事は違います。
田舎であっても、介護職は地域の人に求められる仕事のひとつになります。
実際に、僕が生活している地域でもハローワークや求人広告で介護職の求人を多く目にする機会があります。
また、地域によっては、介護施設で働く人手が足らなくて困っている施設もあるのが実情です。
では、なぜこのように田舎でも介護の仕事が多く必要とされているのでしょうか。
なぜ田舎でも介護職が必要とされるのか?

田舎で介護職が必要とされる理由は大きく二点挙げられます。
- 地方・田舎の過疎化による高齢化割合の上昇
- 地方・田舎でも介護施設の需要は高い
社会問題でもある、過疎化により高齢化割合が年々上昇傾向にあります。
特に、地方や田舎においては、都心部への若者の流出も伴って、高齢化割合が高い傾向になっています。
これにより、たとえ地方や田舎であっても、介護施設はなくてはならない施設なのです。
結果、その介護施設で働く人材も必要であることから、地方や田舎においても介護職は多くの人から必要とされる仕事なのです。
介護職の求人状況を比較

厚生労働省の調べによると、介護職の求人倍率の全国平均は3.97倍(平成30年8月)となっており、他の業種と比べても非常に高い水準で推移しています。
また、都道府県別で見ると、最も低い求人倍率の高知県でも2.26倍であり、他の都道府県は軒並み2.5倍以上の求人倍率で推移している状況です。
このことからも分かる通り、介護職は地方や田舎においても、非常に高いニーズのある仕事なのです。
田舎で介護の仕事をするメリット
田舎ならではの環境の中で働くことができる

田舎ならではの、自然に囲まれた環境で仕事ができることは大きなメリットとなります。
自然に多く触れ合うことで、「集中力の向上」や「ストレス低減」といった効果があることも海外の論文で発表されています。
また、地方や田舎は都会と比べて人口密度も低く、自分自身のライフスタイルをより大切にすることができる環境です。
都会のように、通勤や買い物、病院等で長時間待たされるような、人混みの中での生活を回避することができます。
仕事の「やりがい」をより実感できる

近年、介護職の人手不足も叫ばれており、介護職関係の仕事は多くの方から必要とされる仕事です。
特に、高齢化割合が高い地方や田舎においては、この問題がより深刻で、介護職に担い手不足は否めない状況です。
そのため、介護の世界で働く人は、その地域の人からより頼られる存在なのです。
地域から、必要とされ、頼られていることを実感しながら働けることは、仕事をするうえで、大きな「やりがい」に繋がるのではないでしょうか。
地域の繋がりや助け合いを肌で感じることができる

田舎は、都会と比べて、病院や介護施設等の数が少ないです。
これは、これから働く人からすると、デメリットとも言えることかもしれません。
しかしその反面、施設数が少ないからこそ、地域との繋がりがより密で、相互で助け合える仕組みが機能している地域が多いです。
高齢者の、生活支援、医療や介護、住まいといった問題を地域全体で一括して助け合える仕組みが機能しているのは、田舎ならではの環境だと感じています。
このような環境下で働くことで、より地域に必要な役割であることを再認識させられるのはもちろんのこと、個人と向き合い生活や人生全体を考えてあげられる、より貴重な存在であり続けることができることでしょう。
田舎で介護の仕事をするデメリット
都会と比較した時の給料面の格差を感じる

田舎で介護の仕事をする一番のデメリットといえるのが、この給料の問題ではないでしょうか。
項目 | 年齢/金額 |
---|---|
平均年齢 | 41.9歳 |
平均年収 | 約340万円 |
平均月収 | 約24万円 |
平均賞与 | 約52万円 |
こちらが、福祉施設介護員(企業規模10名以上)の全国平均を示した表になります。
これらを踏まえて、都道府県別でどうなっているのか見ていきましょう。
順位 | 都道府県名 | 平均年収 |
---|---|---|
1 | 東京都 | 約401万円 |
2 | 山梨県 | 約390万円 |
3 | 神奈川県 | 約389万円 |
・ | ||
・ | ||
・ | ||
45 | 山形県 | 約294万円 |
46 | 佐賀県 | 約284万円 |
47 | 青森県 | 約270万円 |
こちらは、平成30年度データになり、毎年変動する順位ですので、参考程度に捉えて頂けばと思いますが、やはり東京が給料面での報酬が高いことが分かります。
最も報酬の低い県と比較すると、実に約130万円もの差が出ています。
都会と比べて選択肢の幅が狭くなる

田舎でも介護職の求人はたくさん存在しています。
しかし、都会と比較してみると、やはり施設数の違いから「仕事を選ぶ」選択肢が減ってしまう点はデメリットです。
ある程度、限られた選択肢の中から、就職先を選ばなくてはなりません。
つまり、自分の条件を妥協せざる負えない状況も想定しなくてはなりません。
通勤に車の利用が必須になる可能性が高い

介護職に限った話しではないですが、都会のように交通機関が充実していないという点も、田舎で仕事をするうえでおさえておかなくてはならないポイントとなるでしょう。
田舎で生活していくうえで、車の利用は必須だと考えています。
介護施設へ出勤する際も同様で、車通勤が最も効率の良いものとなります。
都会で生活していて、自家用車がないという方にとっては、田舎で仕事をするうえではひとつのデメリットとなってしまいます。
田舎で介護の仕事をする際のポイント
必ず事前に地域の求人情報をチェックする

これから移住して、田舎で介護の仕事を考えておられる方は、必ず事前に移住先の求人状況をチェックしておきましょう。
田舎でも、介護職の求人はありますが、都会に比べるとやはり求人数自体は少なくなります。
求人サイトでチェックすることは、移住前の段階でも十分に可能です。
万が一、移住してから満足できる求人がなかったという事態にならないように、事前に入念にチェックすることが大切です。
年収アップを目指す

都会と比べて、田舎の方が給料が低くなることは、ここまでで説明してきました。
その状況で、必要になってくる考え方は、いかにして年収アップに繋げていくかだと思います。
- 資格を取得する
- キャリアアップを目指す
資格を取得する
資格を取得すると、相応に報酬アップが狙えます。
例えば、介護福祉士の資格を取得しているかどうかで基本給や資格給という部分で手当てがつく事業所も多いです。
人手不足から、資格なし・経験なしでも就業可能なところも多いですが、将来的な給料アップやキャリアアップを目指していくのであれば、働きながらでも資格取得を目指していくのがおすすめです。
キャリアアップを目指す
例として、ケアマネジャーへのキャリアアップは、ひとつの手段として選択肢に入れやすい部分だと感じます。
実際に、現場で働く介護職の方がケアマネジャーにキャリアアップという事例は多数あります。
ケアマネジャーの平均年収は、介護職の平均年収と比べると約40万円~50万円程高くなり、年収アップを目指すうえで無視できない選択肢になると言えるでしょう。
その他にも、ユニット長やサービス提供責任者等が挙げられますが、基本的にキャリアアップするには資格や実務経験が問われることが多いので、自身の将来のキャリアプランを整理して目指すべき目標を立てておきましょう。
自身が仕事に求めるものを明確にする

田舎で介護の仕事をするにも、メリットやデメリットが存在します。
これから、移住して田舎で介護の仕事を検討されている方には、このメリットやデメリットを理解したうえで計画を立ててもらえればと思います。
また、どうしようか迷っておられる方は、自身が仕事に求めるものが何なのかを一度整理してみると今後の選択の後押しになるかもしれません。
例えば、給料面が一番大事という方にとっては、田舎で介護の仕事をするデメリットが大きいので、まずは資格取得を目指してみるという考え方もあると思います。
働く環境が一番大事だという方には、もしかしたら田舎で介護の仕事をする方が、自身のやりがいに繋がって楽しく働くことができるかもしれません。
この機会に、改めて自身の仕事の考え方について向き合ってみるのも良いのではないでしょうか。
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