「田舎で一人暮らしを始めたい」と考えた時、移住をするまでの流れや移住後の仕事のことなど、多くの疑問や不安が頭をよぎるものです。
田舎での一人暮らしを満足のいくものにするためには、事前に田舎の特徴を理解し田舎で一人暮らしをするメリットやデメリットを整理しておくことが大切です。
本記事では、田舎に移住して一人暮らしを始める時のポイントと仕事の探し方を徹底的に解説し、記事の後半ではおすすめの移住先についても紹介していきます。
自分がイメージした田舎での一人暮らしを実現するために、ぜひ参考にしてみてください。
田舎や地方へ移住する理由とは?

田舎や地方へ移住する際にまず最初に押さえておきたいポイントは、「なぜ移住したいのか?」という根本の理由や動機を明確にしておくことが大切です。この部分が明確になっていなければ、移住後に自分のイメージ通りの生活が送れずに後悔してしまうケースも少なくありません。
ここでは、みなさんと同様に移住を希望している人の人数や理由について詳しく紹介していきます。
都心部在住の移住希望者は半数以上
2019年に「一般社団法人 移住・交流推進機構」が発表した調査結果によれば、都心部在住の約半数以上の人が「移住したい」と考えていることがわかっています。
このように現代において、移住して田舎で生活を送ることは多くの人にとっての憧れであり、将来的に実現したい目標となっています。
では、「移住したい」と回答した人の理由についても見ていきましょう。
田舎や地方に移住したい理由TOP5
「移住したい」と回答した人のなかで、移住を希望する理由として多かった上位5つの理由は次の通りです。
1位(37.2%) | 自然に囲まれて暮らせそう |
2位(23.6%) | 安くて広い土地で暮らせそう |
3位(16.9%) | 働き方や暮らし方を変えたい |
4位(13.9%) | 人が少ない場所で暮らせそう |
5位(13.5%) | 新たな土地で暮らしたい |
移住の理由は人それぞれですが、「自然」「安くて広い土地」「人の少なさ」といった、都会では体験できない田舎ならではの環境に魅力を感じている人が多い印象です。
一方で、移住を希望しない人の「移住をしなくない理由」についても見ていきましょう。
移住をしたくない人の理由
「移住をしたくない」と回答した人の、上位5つの理由は次のような結果となりました。
1位(38%) | 働き方や暮らし方を変えたくない |
2位(36.6%) | 馴染みのない場所で暮らしたくない |
3位(35.6%) | 新たな土地で暮らすのが不安 |
4位(30.1%) | 親族や友人と離れたくない |
5位(26.4%) | 医療が充実していなさそう |
「移住をしたくない」と回答した人の理由を見ると、「現在の生活からあえて環境を変えたくない」と感じている人が多いことがわかります。
また、5番目に多かった「医療が充実していなさそう」という回答については、都会と比較した時の田舎の生活環境の不安要素が起因したものと推測できます。
都会と田舎では生活環境が異なり、一概にどちらが良い・悪いと判断できるものではありません。だからこそ、事前に田舎の特徴や田舎で生活するメリット・デメリットを理解し、自分の理想の暮らしが送れるのかの判断が求められます。
このあとの章では、「田舎や地方の現実」「田舎で一人暮らしするメリット・デメリット」についても詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
移住先で一人暮らしする人の割合は?

田舎に移住する人の家族構成はさまざまです。家族全員で移住を考えている人もいれば、単身赴任で移住する人、独身で一人で移住する人もいます。
ここでは、実際に移住した人の家族構成や移住のきっかけについて詳しく紹介していきます。
男性・女性別|移住前の家族構成について
まずは、移住前の家族構成について男性・女性別で比較して見ていきます。
令和元年に総務省が発表した調査結果によれば、移住前に最も多かった家族構成は「単身」が最多であることがわかっています。
また、男性・女性別で比べると男性の方がわずかに高く47.6%、女性が39.3%という結果となりました。このことからも、単身者の方が移住について決断しやすい傾向にあることがわかります。
50代で単身の移住者の割合は約50%
続いて、年齢別での移住者の特徴についても見ていきましょう。
年齢別で見ると、50代で単身の移住者の割合が転職前後で約50%と最も高い傾向です。次いで60代単身者の割合が高く、40代単身者の割合も40%前後となっています。
単身での移住者の割合が全体的に高く推移していますが、内訳を見ると年齢を重ねるごとにその割合も比例して高くなっているのが特徴的です。
50代以上が移住するきっかけは「退職・転職」が最多
移住するきっかけとなった出来事について、年齢別で比較したものが下記の表です。
すべての年代で共通して高いのが「転職・転業」です。
- 移住後にやりたい仕事があった
- 田舎でしかできない仕事があった
- 転職を決断して移住という選択肢を選んだ
背景はさまざまですが、いずれにしても「転職・転業」が移住への大きなきっかけとなっていると言えます。
また、50代以上については「転職・転業」のほかにも「退職」がきっかけとなっている人の割合も高くなっています。退職後の新たなセカンドライフ実現のために、移住して田舎での生活を選択する人も多い傾向と言えます。
40代・50代の移住先での仕事については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
移住前に知っておきたい田舎や地方の現実

ここまで、移住を希望する人の特徴や理由について紹介していきました。それぞれの理想の人生の実現に向けて移住をして田舎での生活をおくる人が多いことがわかりました。
しかし、移住して田舎暮らしをすることで理想の生活が本当におくれるのでしょうか?
ここでは、移住前に知っておきたい田舎や地方の現実について詳しく紹介していきます。移住してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前に正しい現実を理解しておきましょう。
田舎特有の人間関係
都会と比較して、田舎における人間関係の大きな特徴は次の3つが挙げられます。
- コミュニティが狭い
- 地域行事が多い
- 近所付き合いが多い
田舎は都会と比べて人口が少ないため、必然的に自分の周りに住んでいる人も顔見知りが多くなる傾向です。良い意味で捉えればより濃い人間関係を築くチャンスにもなりますが、一方で息苦しさや行動のしにくさを感じる人も少なくありません。
また、地域によって異なりますが、町や村などのブロックごとに定期的に集まる地域行事が開催されるところも存在します。
こうした田舎の人間関係は、人によって感じ方が異なるため一概に「良い」「悪い」と判断できるものではありません。「あたたかみ」や「絆」を感じる人もいれば、一方で「煩わしい」と感じる人もいます。
大切なことは、都会と比べて田舎の人間関係には上記のような特徴があると「理解する」ことですので、田舎の現実のひとつとして頭に入れておきましょう。
都会と比べて交通が不便
都会では交通機関が発達しており、通勤や買い物、食事などに必ずしも車が必要というわけではありません。一方、田舎では都会ほど交通機関が発達していない場所も多いため、移動手段に車が必要となる地域がほとんどです。
また、自家用車が必要となれば、当然維持費がかかってくるため出費が増えることになります。自家用車の維持費は、平均相場として月間で3万円程度必要となることを想定しておかなければなりません。
都会の生活に慣れてしまっている人にとっては、都会と比べて交通が不便な田舎暮らしに抵抗を感じる可能性があることもおさえておきましょう。
収入面での変化
田舎に移住することで、収入面に変化がある人も少なくありません。
2022年にパーソル総合研究所が発表した調査結果によると、移住による収入変化は次のような結果となりました。
移住に伴って、約6割の人が「収入変化なし」と答える一方で、20代・30代は全体の2割以上の人が「増収した」と回答しています。
また、50代・60代に目を向けると全体の2割から3割の人が「減収した」と回答しており、年代によって移住後の年収に変化があることがわかっています。
田舎に移住することで、自分の収入にどのような変化が起こる可能性があるのか想定したうえで移住を検討してみましょう。
生活費が安くなるという罠
大切なポイントとして、田舎で生活すれば生活費が安くなるわけではないということは事前に理解しておきましょう。
田舎暮らしをすることで、都会と比べて出費を抑えられる部分があるのも確かです。代表的なものとして「住居費」が挙げられます。アパート代や土地代など、都会と比べると田舎や地方の方が安くなるため、出費を抑えることにつながります。
一方で、食費や水道光熱費などは、都会と同じような生活をおくっているとあまり変化が見られない項目になります。田舎暮らしで生活費を安くしたい場合、生活水準を下げる努力をすることが非常に重要なポイントです。
詳細については、こちらの記事で移住にかかる引っ越し費用から生活費まで網羅的に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
仕事選びの選択肢がせまくなる
田舎で仕事を選ぶ際に注意したいことは、仕事の選択肢がせまくなる点です。
「田舎は仕事がない」というワードを耳にしたり、イメージを持たれたりする人も少なくありません。正確には、「田舎は仕事がない」のではなく、求人数が都会と比べて田舎は少ないため「選択肢がせまい」ということになります。
移住後にやりたかった仕事の求人がない場合もあるため、仕事については事前にしっかりと調べておくことが大切です。転職サイトを活用すれば無料で各地域の求人を見れるので、時間がある時にリサーチしておきましょう。
無料で利用できるおすすめ転職サイト
日本最大級の求人情報を提供する大手転職サイト「リクナビNEXT」では、日本全国各地の求人データを網羅しているため、地方でもあなたにピッタリの求人が見つかります。
>>>リクナビNEXT
「ビズリーチ」はハイクラス求人に特化した転職サイトです。地方へ移住し田舎暮らしを検討しているが、「今の年収を維持したい」「より年収にこだわった仕事に出会いたい」という方は、ぜひ一度参考にしてみてください。
>>>ビズリーチ
こちらの記事では、都会と田舎の求人についてまとめていますので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
田舎や地方に移住して一人暮らしのメリット

田舎や地方に移住して一人暮らしするメリットについて見ていきましょう。都会では体験できない田舎暮らしならではの魅力を紹介していきます。
豊かな自然の中で健康的な生活をおくれる
田舎に移住するひとつめのメリットは、豊かな自然の中で健康的な生活がおくれる点です。都会の喧騒を離れて自分のペースでスローライフをおくりたいという理由で移住する人も少なくありません。
人口密度が低い田舎の豊かな自然に囲まれて、アウトドアやスポーツなど自分のやりたいことを実現できます。
家賃や土地などが安い
家賃や土地の安さも田舎ならではの魅力です。
2022年に全国賃貸管理ビジネス協会が発表したデータによれば、東京都の1部屋の平均が68,910円であったのに対し、全国平均は50,790円となっています。約2万円もの差額があり、月々の出費で考えればかなり大きな金額と言えます。
ちなみに、1部屋の平均金額が最も安かったのは鳥取県の37,803円でした。
生活費のなかでも大きな割合を占める住居費が抑えられる点は、田舎へ移住する大きなメリットです。
人が少ない環境で静かに暮らせる
田舎は、都会と比べて人口密度が驚くほど低いです。通勤時や外出時など毎日人混みとともに生活していた人にとっては、とても静かで暮らしやすく感じることでしょう。
静かな場所でゆったりとした生活をおくりたいと考えている人にとって、田舎での一人暮らしは最高の環境と言えます。
新鮮な食材を味わえる
地域にもよりますが、漁業や農業が盛んな地域に移住すれば新鮮で美味しい食材が安く手に入ります。
田舎では、個人で農業や家庭菜園を行っている人も多く、近所の人から採れた食材をわけてもらえることも少なくありません。もちろん、移住してから自分で農業や家庭菜園を始めて、自給自足の生活をおくることも可能です。
新鮮で美味しい食材を手軽に味わえるのは、田舎の大きな魅力と言えます。
田舎ならではの新たな人間関係が築ける
前章の「田舎や地方の現実」でも触れましたが、田舎ならではの人間関係が築ける点も田舎に移住するメリットのひとつです。
都会では薄くなりつつある「ご近所付き合い」ですが、田舎では文化として根強く残っている地域が多い傾向です。そのため、近所の人や顔見知りになった人との交流は新たな人間関係を築くきっかけになります。
特に、都会の人間関係が冷たく感じている人や一人暮らしに淋しさを感じる人にとっては、素敵な田舎暮らしをおくるうえで手助けとなります。
一方で、必要以上の人間関係を求めていない人にとっては、デメリットにつながる可能性もありますので注意が必要です。
田舎や地方に移住するデメリット

田舎や地方に移住して一人暮らしを始めるにあたって、当然のことながらデメリットも発生します。ここでは、田舎に移住するデメリットについて紹介していきます。
田舎に移住して一人暮らしをするうえで、メリットとデメリットを比較して自分が納得できる決断をすることが大切です。
都会と比べ生活の利便性が悪い
都会で暮らしていると、生活するうえで必要な施設が密集しているため不便に感じる人はそう多くありません。しかし、田舎ではスーパーや病院、銀行、駅など生活に必要な施設までの距離が遠く、都会に比べ利便性が劣ります。
電車の本数の少なさや各施設の営業時間の短さなども、田舎で生活するのであれば事前に想定しておくことが大切です。
都会で自家用車を持っていなかった人も、移住する地域によっては自家用車がないと生活に支障をきたすことも頭に入れておきましょう。
収入が下がる可能性がある
2022年に厚生労働省が発表した「令和4年度地域別最低賃金改定状況」を参考にすると、東京、神奈川、大阪の3都府県のみ1,000円以上となっています。一方で、3都府県以外の地域に関しては1,000円未満となっています。
また、2021年に転職サイト「doda」が発表したデータによれば、首都圏とその他の地域では平均年収に大きな差が見られることが分かりました。
47都道府県で最も平均年収が高かったのは東京で438万円となっており、次いで神奈川県の422万円となっています。一方、最も平均年収が低かったのは沖縄県の336万円、続いて山形県の350万円です。
東京と沖縄には約100万円もの開きがあり、ほかの地域に関しても50万円程度の開きが見てとれる地域が多いことから、移住に伴っての収入変化に注意が必要です。
移住するのに意外と費用がかかる
移住には、意外と費用がかかることを覚えておきましょう。移住するために必要な費用を下記の表に軽くまとめてみました。
引っ越し代 | 10万円~15万円 ※荷物量や時期に左右される |
住居費(移住後) | 約30万円(契約時) ※アパート一人暮らしで想定 |
自家用車購入代 | 約30万円~ ※自家用車を保有していない場合に必要 |
移住をするために最低でも50万円程度の費用が必要となるため、十分な移住資金を準備しておくことをおすすめします。
各費用の詳細については、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
一人暮らしの移住生活で失敗しないポイント

ここまで、田舎や地方に移住するメリットとデメリットについて紹介していきました。メリットとデメリットを自分でしっかり理解したうえで移住を検討することが重要です。
しかし、実際に移住を決断するには、さまざまな不安が頭をよぎり一歩踏み出すのに勇気が必要になります。
ここでは、一人暮らしの移住生活で失敗しないためのポイントについてまとめて紹介していきます。
各自治体の移住支援制度を事前に把握する
各自治体では、移住者支援のために多くの手厚い支援制度を設けています。これから移住を検討している人は必ず事前に移住支援制度の種類や内容を理解し、自分に合うものがあれば活用していきましょう。
移住支援制度は大きく5つに分けることができます。
- 「住まい」に関する支援制度
- 「仕事」に関する支援制度
- 「結婚」「子育て」に関する支援制度
- 「移住体験型」の支援制度
- 「地域特有」の支援制度
それぞれの支援制度は非常に手厚いものが多く、制度によっては数百万円の補助金を受けられるものがあります。
まずは、自分が「どの地域に移住したいのか?」「なにを目的に移住したいのか?」を整理して、自分に合った移住支援制度を見つけるところからスタートしましょう。
各支援制度の詳しい内容や具体例、支援制度を探す時と選ぶ時のポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
移住先での仕事を事前に調べておく
移住するにあたって大切なポイントとして、「事前にできることや調べられることは予めやっておく」ことが重要です。そのうちのひとつが「仕事探し」「求人リサーチ」です。
もちろん、生活をするうえで仕事は重要な要素なので安易に決めるべきではありません。しかし、これから移住する地域に「どのような求人があるのか」「どのような仕事内容なのか」「興味がある仕事はあるか」は事前に調べておきましょう。
どれだけ理想の移住先が見つかっても仕事に満足できなければ、精神的な負担が大きくなります。移住後に後悔しないためにも、事前に調べたうえで行動することが大切です。
移住先の仕事について簡単にリサーチする方法としては、転職サイトの活用が有効です。無料で登録するだけで地域ごとの求人が絞りこめるので、地域性を加味した調査が可能になります。
無料で利用できるおすすめ転職サイト
日本最大級の求人情報を提供する大手転職サイト「リクナビNEXT」では、日本全国各地の求人データを網羅しているため、地方でもあなたにピッタリの求人が見つかります。
>>>リクナビNEXT
「ビズリーチ」はハイクラス求人に特化した転職サイトです。地方へ移住し田舎暮らしを検討しているが、「今の年収を維持したい」「より年収にこだわった仕事に出会いたい」という方は、ぜひ一度参考にしてみてください。
>>>ビズリーチ
移住先の周辺環境を調べておく
移住して田舎暮らしで失敗する理由として多く挙がるのが「移住先の調査不足」です。自分が移住したい地域がある程度絞り込めたら必ず事前に周辺環境を調査しておきましょう。
例えば、「近くに駅やバス停があるので交通面で不安はない」と考えていたとしても、実際に移住してみたら、「運行本数が少なく車が必要だった」というケースもあります。また、近くにスーパーがあるが、営業時間が短かったり、商品が少なかったりする可能性もあります。
移住後に「イメージしていた環境と違った」と後悔しないためには、事前に周辺環境を調査しておくことが大切です。
調査方法については、実際に足を運んでみるのがおすすめですが、自治体によっては「お試し移住体験」を行っています。
お試し移住体験をすることで、実際に移住して生活する際のイメージをより具体的で確実なものにすることができるので、ぜひ活用してみましょう。
期間は、最短で1日から最長で数ヶ月のものまであります。その間の費用も安く抑えられ、自治体によっては水道光熱費を負担してくれる制度もあるのでお得に利用できます。
移住のための資金を十分に準備しておく
一人暮らしの良いところは、身軽に行動できるところです。そのため、興味がある地域が見つかったらすぐに移住を決断して行動する人も少なくありません。
行動力が高いのは素晴らしいことですが、移住には意外と高い費用がかかることを理解し行動するよう心がけましょう。
例えば、一人暮らしと言えども、移住先への引っ越しと住居費(初期費用)だけで、約50万円もの費用が必要です。自家用車が必要な場合は、追加で車の購入費用がかかってきます。
移住してからお金が底をつきてしまっては、理想の移住生活をおくるのが困難になりますので、十分に移住のための費用を準備したうえで計画を立てていきましょう。
移住したい理由と目的を整理しておく
移住後に後悔しないために、自分が移住したい理由と目的を整理しておくことが大切です。移住したい理由と目的によって移住先の選択が変わってくるからです。
例えば、移住の理由が「豊かな自然のなかで生活をおくりたい」だった場合、移住先は自然環境を中心に決めなければなりません。しかし、移住支援制度や仕事のことを考えているうちに無意識的に別の要因を優先してしまうことがあります。
当初の理由や目的がずれてしまうことで、移住してから「イメージしていた暮らしと違う」と後悔につながってしまうのです。
もちろん、長期的に田舎暮らしを考えているのであればさまざまな要因を考慮して総合的に判断する必要がありますが、自分が一番に優先して考えなければいけない軸は持っておきましょう。
仕事付き移住を実現する方法

移住するにあたって考えなければいけないのが「仕事探し」です。仕事探しに苦戦したり長引いてしまったりすると、プライベートにまで支障をきたす可能性があるので、できるだけ早い段階で自分が納得できる仕事を見つけたいところです。
ここでは、仕事付き移住を実現する方法について紹介していきます。仕事の探し方には、いくつか種類がありますのでぜひ参考にしてみてください。
転職サイトから探す
転職サイトは、無料で利用できるうえ遠距離からでも移住先の求人を調べられるので必ず活用したいサービスです。
転職サイトを活用するメリットは、数多くの求人をチェックできる点と地域ごとの求人の傾向を確認できる点です。
自分が移住を検討している地域に、「どのくらいの求人があるのか」「自分が希望する仕事があるのか」を事前に把握するためにも参考にしてみてください。
無料で利用できるおすすめ転職サイト
日本最大級の求人情報を提供する大手転職サイト「リクナビNEXT」では、日本全国各地の求人データを網羅しているため、地方でもあなたにピッタリの求人が見つかります。
>>>リクナビNEXT
「ビズリーチ」はハイクラス求人に特化した転職サイトです。地方へ移住し田舎暮らしを検討しているが、「今の年収を維持したい」「より年収にこだわった仕事に出会いたい」という方は、ぜひ一度参考にしてみてください。
>>>ビズリーチ
ハローワークを利用する
ハローワークと聞くと、現地まで足を運んで利用するイメージが強い人も少なくありませんが、現在ではインターネットで全国のハローワークに寄せられた求人をチェックすることも可能です。
転職サイトとの違いは、地元企業の求人が多く掲載されている点です。転職サイトには掲載されていない求人もありますので、転職サイトと並行して活用していきましょう。
参考リンク:ハローワーク公式サイト
移住支援制度を活用する
新規移住者の受け入れを積極的に行っている自治体が増えています。移住者の受け入れに力を入れている自治体では、魅力的な移住支援制度を設けているケースが多く、移住者の仕事探しを手厚く支援してくれる制度もあります。
代表的な制度としては、地元企業と移住者をマッチさせる移住就業マッチングサイトがあります。例えば、山口県では移住者の就業をサポートするために下記のような移住就業マッチングサイトを設けています。
参考リンク:やまぐち移住就業マッチングサイト
ほかにも、地域の伝統工芸の継承を目的とした制度や移住者の独立起業を支援する制度など自治体によって多くの制度がありますので、ぜひ自分に合った制度を活用してみてください。
仕事に関する移住支援制度については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
クラウドソーシングを利用する
転職とは考え方が違ってきますが、クラウドソーシングを利用して個人で仕事を受注するのも選択肢のひとつです。
在宅しながらオンラインで仕事の受注から納品までを完結することができるので、フリーランスや副業希望の人に向いています。
仕事内容は、簡単なアンケートやモニター調査、ライティング系の仕事、プログランミング関係と難易度や種類、報酬金額も様々です。Web系のスキルをお持ちの方であれば、より高単価な仕事を受注できる可能性もあります。
長期間クラウドソーシングだけで生活していくのは、少しハードルが高いといえますが、短期的な収入補填という考え方であれば、選択肢に入れておくのもおすすめです。
地域おこし協力隊へ応募する
地域おこし協力隊とは、地域の活性化と盛り上げを目的としてその地域の農林業などのさまざまな仕事に従事していく仕事です。
地域おこし協力隊は、れっきとした仕事ですので給与が発生します。金額は地域によってさまざまですが、月160,000円から170,000円が平均的です。
また、自治体によっては家賃の補助が支給されるところもあるので、地方や田舎で移住を検討している人は地域おこし協力隊への応募もぜひ検討してみてください。
地域おこし協力隊で活動後に定住した人の約30%の人が起業していることもデータでわかっており、将来的に地方や田舎で独立や起業を目指す人にもおすすめです。
一人暮らしにおすすめの移住先|移住支援制度も紹介

ここまで、移住で一人暮らしをするメリット・デメリットや失敗しない方法、仕事付きで移住する方法などについて紹介してきました。移住を成功させるためには、知識を深め具体的なイメージをもつことが大切です。
ここでは、2021年移住希望地ランキングでTOP5に選ばれた都道府県について紹介していきます。人気の移住先とその理由を知り、自分の移住先選びの参考にしてみてください。
静岡県

太平洋に面し、南アルプスと富士山の絶景が広がる自然豊かな静岡県。降雪も少なく、海・山・川の大自然を楽しみながらゆったり暮らせる移住に適した県です。
お茶や果物、野菜、海産物などでも有名で、食生活においても田舎ならではの大満足の生活がおくれます。
また、首都圏からのアクセスも良く、都会から一人暮らしで移住を希望する人にとっても非常に適した県と言えます。
おすすめの移住支援制度
名称 | 静岡県移住・就業支援金制度 |
概要 | 東京圏から静岡県に移住して就業、起業した方に最大100万円を支給 |
お問い合わせ | “ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センター(静岡窓口)静岡県庁西館6階(静岡県くらし・環境部企画政策課(移住・定住促進班)) 電話:054-221-2610 メール:iju@pref.shizuoka.lg.jp 受付時間:8:30~17:15(土日祝日休) |
公式サイト | https://iju.pref.shizuoka.jp/news/ijushienkin.html |
福岡県

九州と本州をつなぐ交通の要所となる福岡県。ラーメンやもつ鍋など、福岡ならではのご当地グルメを筆頭に、博多明太子、ブランドいちご「あまおう」など、海や山の幸を存分に味わえるのも大きな魅力のひとつです。
県庁所在地の福岡市は、自然に囲まれた環境ながら都市機能を集約しているコンパクトシティとしても知られ、商業施設や娯楽施設、発達した交通網など、さまざまな面で楽しく便利に暮らせます。
また、世界遺産「宗像・沖ノ島と関連遺産群」や、国の史跡に指定されている「筑豊炭田遺跡群」など多くの伝統的建造物も福岡の魅力です。
おすすめの移住支援制度
名称 | 福岡県移住支援金制度 |
概要 | 三大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)から福岡県に移住し、移住支援金の支給要件を満たす方に、移住支援金を支給(単身60万円/世帯100万円) |
お問い合わせ | 福岡県企画・地域振興部市町村振興局 政策支援課 地方創生推進班 電話:092-643-3179 E-mail:ijuu-teijuu@pref.fukuoka.lg.jp |
公式サイト | https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/ijushienkin.html |
山梨県

東京都、神奈川県、長野県、静岡県などに隣接し、本州中央に位置する山梨県。南アルプスや富士山の展望は素晴らしく、県土の約80%近くを森林が占めるという大自然に囲まれた魅力的な県です。
広大な土地と大自然に育まれた水や農産物は美味しく、移住後の食生活面での満足度を向上させてくれます。
中央自動車道やJR中央本線など交通面が発達しており、首都圏へのアクセスは抜群です。2027年にリニア中央新幹線の駅の開業が予定されており、東京までのアクセスは約25分とさらに短縮される予定です。
おすすめの移住支援制度
名称 | 山梨県移住支援金制度 |
概要 | 東京圏から山梨県に移住し、移住支援金の支給要件を満たす方に、移住支援金を支給(単身60万円/世帯100万円) |
お問い合わせ | やまなし暮らし支援センター(有楽町東京交通会館8F ふるさと回帰支援センター) TEL:03-6273-4306 ふるさと山梨定住機構(甲府市丸の内 県庁北別館4F 二拠点居住推進課内) TEL:055-223-1850 |
公式サイト | https://www.iju.pref.yamanashi.jp/ |
長野県

人気の移住先ランキングで常に上位に選ばれている長野県。飛騨山脈や木曽山脈など日本アルプスが立ち並び、夏には避暑地として冬には温泉やウインタースポーツを目当てに多くの人々が集まります。
豊かな自然に囲まれた大地から収穫される新鮮な農作物は美味しく、移住ならではの食生活を体験できるのも魅力のひとつです。
また、首都圏からのアクセスも良く、東京から長野まで新幹線を利用すれば約1時間30分でアクセスできます。
おすすめの移住支援制度
名称 | UIJターン就業・創業移住支援事業 |
概要 | 三大都市圏(東京圏、愛知県、大阪府)から長野県に移住し、移住支援金の支給要件を満たす方に移住支援金を支給(単身60万円/世帯100万円) |
お問い合わせ | 長野県 産業労働部労働雇用課 電話:026-235-7201 FAX:026-235-7327 |
公式サイト | https://www.pref.nagano.lg.jp/index.html |
群馬県

草津温泉、伊香保温泉、水上温泉、四万温泉など、日本有数の温泉王国としても有名な群馬県。優雅な大自然にも囲まれ、食・癒し・アクティビティと、さまざまな魅力を感じられる移住先としても人気の県です。
武尊山や赤城山をはじめ日本百名山にも数えられる有名スポットや、世界遺産の富岡製糸場、パワースポットとして有名な榛名神社など歴史的建造物の多さも群馬県の魅力です。
人気の移住先ランキングでも、幅広い世代からの支持を集め2021年には5位にランクインするなど、近年で最も注目を集める人気の県と言えます。
おすすめの移住支援制度
名称 | 群馬県移住支援金事業 |
概要 | 東京圏から群馬県に移住し、移住支援金の支給要件を満たす方に移住支援金を支給(単身60万円/世帯100万円) |
お問い合わせ | 群馬県 地域創生部ふるさと回帰支援センター内 ぐんま暮らし支援センター 番号:080-8870-2756(移住相談用①) 番号:070-4851-1647(移住相談用②) メール:gunma@furusatokaiki.net |
公式サイト | https://gunmagurashi.pref.gunma.jp/ |
参考:認定NPO法人ふるさと回帰支援センター「2021年の移住相談の傾向、移住希望地ランキング」
自分にピッタリの移住先を「たびすむ」で見つけよう

「田舎や地方に移住して理想の暮らしを実現したいけど、具体的な移住先が決まらない」
「移住先の助成金制度をもっと分かりやすく比較して選びたい」
「移住経験者のリアルな声を移住先選びの参考にしたい」
こうした悩みや不安を抱えている人におすすめしたいのが、移住マッチングプラットフォーム「たびすむ」の活用です。
「たびすむ」では、利用者の希望条件から自分に向いている移住先をAI診断。掲載自治体数1,500以上ものなかから、移住先選びで迷っていた人でも満足のいく移住先がきっと見つかります。
ぜひ移住先選びの参考にしてみてください。
まとめ

田舎に移住して一人暮らしを始める時、楽しみな気持ちと期待感が込み上げる一方で、不安な気持ちを同時に感じる人も少なくありません。
「田舎で本当に生活できるのか?」「移住生活がイメージしていたものと違ったらどうしよう」など、未体験のものに対して不安になるのは当然のことです。
ここで大切なポイントは、事前に田舎や移住の現実を理解し、移住に失敗しないために事前準備を行うことです。そして、自分が移住したい目的を整理し、移住先の移住支援制度も事前に調べておきましょう。
また、移住後の仕事についても事前調査を行い、目星をつけておくことで移住をスムーズに進められます。
できることを徹底的に準備したうえで、理想の移住生活をスタートさせましょう。
コメント