介護業界は、高齢化問題もあり今後も必要とされる需要の高い仕事のひとつです。
それゆえに、地域を問わず求人数も多く、これから介護業界で仕事がしたいという方も多くおられるのではないでしょうか。
仕事内容としては、いわゆる専門職であり、年齢や学歴、経歴といったものよりも、その人の実力が重要視されます。
つまり、仮に未経験であっても、これからのその人の頑張り次第で待遇やキャリアアップが狙える仕事といえるでしょう。
この記事では、介護業界への転職を有利にしたり、介護職でのキャリアアップを目指すうえで、おすすめな資格とその資格の取り方、難易度等について詳しく説明していきます。
自分に必要な介護職の資格を取得を目指して、転職や待遇面を有利にしていきましょう。
介護業界への転職を有利にするおすすめな2つの資格

介護職員初任者研修
- 実務経験なしでも取得可能
- 受講科目9科目
- 標準取得日数1カ月~3カ月
取得難易度 ★☆☆☆☆
「介護職員初任者研修」はホームヘルパー2級から移行した資格になります。
実務経験なしでも取得可能で、最短約1カ月での取得も目指せます。
介護の仕事に必要な知識やスキルを身に着けることが可能で、これから介護の仕事をはじめていく方の入門的な資格といえるでしょう。
介護職員初任者研修の資格を持っているだけで、転職に有利にはたらくことはもちろん、給料等の待遇面でも優遇される資格になります。
未経験者でも取得しやすい資格ですので、まず最初に「介護職員初任者研修」の取得を目指す未経験者の方が多いのも特徴です。
実務者研修
- 実務経験なしでも取得可能
- 受講科目20科目
- 標準取得日数1カ月~6カ月(資格なしの場合6カ月)
取得難易度 ★★☆☆☆
「実務者研修」は、以前のホームヘルパー1級に相当します。
初任者研修と同様に、実務経験なしでも取得可能となり、最短約1カ月で取得可能です。
しかし、初任者研修と比較すると難易度も上がり、また他の資格有無によって取得期間に影響してきます。(初任者研修資格保有者は、20科目中9科目免除)
未経験で無資格の場合は、約6カ月ほど取得までに必要となります。
介護職唯一の国家資格である「介護福祉士」の資格を得る為には、この実務者研修の資格が必要となってきます。
将来的なキャリアアップを目指す為には、遅かれ早かれ取得しなければいけない資格といえるでしょう。
まずは「介護職員初任者研修」を取得を目指す

介護職員初任者研修と実務者研修、どちらも実務経験なしで取得を目指すことが可能です。
しかし、未経験者無資格の方は、まずは「介護職員初任者研修」の取得から目指していくのがおすすめです。
介護職員初任者研修と実務者研修の違い
介護職員初任者研修では、介護の仕事の基礎となる部分から学んでいき取得を目指していくことが可能です。
全くの未経験者でも、一から介護について学んでいけるようカリキュラムが組まれている為、段階を踏んで基礎からじっくり知識やスキルを身に着けることができます。
実務者研修では、医療ケア等のより専門的な部分を学んでいきます。
質の高い介護サービスの提供を目指した資格となっている為、初任者研修よりも高レベルな資格といえるでしょう。
取得までにかかる時間
資格 | 受講科目数 | 受講時間 |
---|---|---|
介護職員初任者研修 | 9科目 | 約130時間 |
実務者研修 | 20科目 | 約450時間 |
より幅広く専門的なことを学習していく実務者研修では、初任者研修と比べると3倍以上の受講時間が必要になってきます。
転職を有利にすすめる為に資格取得を目指している方は、まずは初任者研修の取得から目指していき、転職後に実務経験を積みながら、実務者研修を取得していく流れが理想的といえるでしょう。
逆に、たとえ多くの時間がかかっても介護について深い知識を身に着けたいという方は、最初から実務者研修の取得を目指していくのもひとつの手段といえます。
取得にかかる費用
資格 | 平均受講費用 |
---|---|
介護職員初任者研修 | 約7万円 |
実務者研修 | 約20万円 |
取得にかかる費用も、介護職員初任者研修と比べると、実務者研修は約3倍必要となります。
この受講費用は、各スクールによっても相場に差が出る部分です。
事前に各スクールの資料を無料請求して料金等の比較は必ず実施しましょう。
「介護職員初任者研修」を取得するメリット

介護職の基礎を学べ理解が深まる
介護職員初任者研修は、介護の仕事の基礎となる部分を一から学ぶことが可能です。
これから介護の仕事を目指している方にはもちろん、家族の介護等にも活かせる知識が身に付きます。
また、本当に介護の仕事が自分に合っているかどうかも資格取得を目指す中で理解することができる為、最初の一歩を踏み出すうえで適した資格といえるでしょう。
就職や転職が有利になる
介護の求人は、未経験者や無資格の方でも応募することが可能な求人が多いですが、介護職員初任者研修を取得しているかどうかは、転職を有利にすることが可能です。
自分に合った、第一希望の職場に転職する為にも取得しておくべき資格といえます。
待遇面での優遇も見込める
資格の有無は、給料面の待遇でも優遇される可能性が高くなります。
介護職員初任者研修は、介護職の基礎の資格ではありますが、それでも資格給を基本給に上乗せしてもらえる職場が多いです。
こうした待遇面の部分も、事前に必ず確認しておきましょう。
キャリアアップを目指すうえでおすすめな3つの資格

介護福祉士
- 3年以上の実務経験が必要
- 実務者研修の取得が必須
- 介護職でのキャリアアップの必須資格
- 介護職唯一の国家資格
- 合格率約70%前後(直近実績)
取得難易度 ★★★☆☆
介護福祉士の資格は、介護職でキャリアアップを目指していくうえでは必ず必要になってくる資格といえます。
合格率は直近の実績で見ると70%前後と比較的高い合格率となっていますが、3年以上の実務経験や実務者研修修了が必須である点を考えると、試験を受験するまでのハードルがやや高めに設定されていることが分かります。
介護の仕事を始めたら、介護福祉士の資格取得を視野に入れつつ、計画的にキャリアプランを立てていく必要があります。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 介護福祉士とは全く異なる資格(役割)
- 介護福祉士を取得してから5年の実務経験が必要
- 家庭・家族と介護現場の橋渡しの役割を担う
- 介護福祉士よりも給料面等の待遇が良い
- 現場よりも事務作業中心の仕事が多い
取得難易度 ★★★★★
ケアマネジャーも介護福祉士同様に、介護のプロという位置づけですが、その仕事内容は全く別物になります。
身体介護がメインとなる介護福祉士ですが、ケアマネジャーは、施設利用者への介護サービスがより良いものになるよう広い視野でのマネジメント力が求められる仕事です。
認定試験の合格率で見ると、合格率10%~20%とハードルがかなり高いことが分かります。
その反面、ケアマネジャーの必要性は年々増してきており、介護福祉士と比較しても高待遇で働ける傾向が強いことも分かっています。
介護職で将来長く活躍する為にも、キャリアアップで目指してみる価値とやりがいのある仕事といえるのではないでしょうか。
認定介護福祉士
- 介護福祉士の上位資格
- 介護福祉士の資格が必須
- 介護福祉士として5年の実務経験が必要
- 必須研修の受講時間が約600時間
- 資格取得は、試験ではなく申請が必要
取得難易度 ★★★★★
介護福祉士の上位資格として位置づけられている認定介護福祉士ですが、実はまだその歴史が浅く2015年12月より定められた民間資格です。
資格取得の為のハードルも極めて高く、事前の必須カリキュラムに必要な時間は約600時間にもおよびます。
時間だけでなく、そこに必要な費用面、そしてまだ日が浅く認知度の低さといったところもあり、2019年時点で資格取得者55名となっています。
今後、各地域でますます介護の仕事が求められていく中で、認定介護福祉士の役割や立場といったものがピックアップされていく可能性は高いといえるのではないでしょうか。
まとめ

介護職の仕事には、様々な資格があります。
介護の基礎を知り学ぶ為の入門要素のつまった介護職員初任者研修から、介護施設や利用者の家族の人達を広い視野でマネジメントするケアマネジャーまで、その種類は様々です。
しかし、上位の資格になればなるほど、受験資格や試験内容がハードになってきます。
自分の知識や経験、将来のキャリアプランに合わせた計画的な受講が必要です。
介護業界未経験の方は、まずは介護の基礎を知り学び、転職を有利にす為にも介護職員初任者研修の取得を目指していきましょう。
すでに介護の世界で働いてる方や、経験や資格をお持ちの方は、実務者研修や社会福祉士の資格を目指しキャリアアップを狙うのもおすすめです。
これからも介護業界は、地域を問わず多くの方から必要とされる大切な仕事です。
みなさんの資格取得が、必ず誰かの役に立ちます。
目的意識と向上心を持って、キャリアプランを明確にした資格取得を目指していきましょう。
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